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そこにあるもの

人間科学部大学生。女子大生やってます。

フランス人のgentle man は「失礼しました、Madame」ではなく「失礼しました、Monsieur」と言う。

 

 試着室にて。

フランス人の男性が試着しようとドアを開けたところ、そこには試着中の女性がいた。慌ててドアを閉める。

この時「失礼しました、マダム」と言いながら閉めたら優しい人で

「失礼しました、ムッシュー」と言いながら閉めたら、それは機転の利く人だという。

(注 ムッシューとはフランス語で男性の敬称)

この話を聞いたことがある人はきっと少なくないだろう。

よくある、機転が利く人の例え話である。

 

 

 

 

またホテルバイトの話になる。

その「機転」を強く意識させる出来事があった。

 

わたしが働いているのはバイキング形式のレストラン。

食べ残しの持ち帰りはお断りしている。

 

あるときバイキングに来ていた夫人2人に話し掛けられた。

 

「これ、持って帰ることはできないかしら。

食べようと思ってとったんだけど、その後すぐにカニが出て来たからそっちの方に行っちゃって食べられなかったのよ。」

 

 

 テーブルを拭いてる手を止めて咄嗟に顔を上げた。

 

こういうことを聞かれたのは初めてだった。

 

念のため社員に確認を取ろうとその場を離れた。

 

その時ヘルプでそのお客様に対応してくれたのは同い年で、バイトは半年先輩の人だった。

 

「申し訳ありませんが、お持ち帰りはお断りしております。」

 

そこで終わるのかと思ったが、彼女は更に続けてこう言った。

 

「ところでカニはどうでした?」

 

お客様と彼女の、カニの話が始まった。

 

話は弾んでく弾んでく。

 

お客様から断られた不快感は一切感じられなかった。お客様から「ここはこうした方がいいわよ」とアドバイスまで頂けた。

 

 

彼女の、機転の良さに圧巻だった。

 

 

 

圧巻だった。

 

 

ホテルマンはサービスを「提供する」ものだと思っていた。お客様が求めることを「してあげる」だけだと思っていた。だからお客様から一歩引いたところにいて、その距離は少し遠いように感じていた。

 

 

同じ目線でのコミュニケーションの中にサービスがあることは考えたことがなかった。

 

 

自然な流れで不快に感じさせない、このやり方は素直に尊敬に値する。

 

 

非常に勉強になった。